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黒「マリー。大丈夫、俺は何処にもいかねーよ」
マリーの手を握り、出来るだけ優しい声で語りかける。
握った手をキュッと握り返されるのを見て、俺は空いている方の手でマリーの頭を撫でてやった。
黒「お前が俺を必要としなくなるまで、離れてやらないから」
強張っていた表情は段々と安らいで行き、薄っすらと笑顔すら浮かべられていた。
俺は一歩後ろに下がろうとするがマリーがまだ手を握ったままなのをみて再び猫の姿に戻った。
黒「にゃー(すぐ戻るから)」
窓の淵に飛び乗り器用に前足で鍵を開けると、闇に紛れる様に部屋を後にした。
向かう先は、もう一人の魔力に苛まれた少女の元。
俺はもう一度人間の姿になり、少女の元へ跳んだ。
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