男にだって二言くらいあるさ。

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ネ「ヴー、ほっぺがヒリヒリします」 1.2分遊ばれた頬を摩りながら、男を睨むネル。 元々明るい性格で少し天然も混じっているネルは、すっかり自分の病気を治してくれた男に対して警戒をといていた。 「あー、そういや両親とかに連絡しなくて良いの?」 相変わらずのニヤニヤした笑顔で言われ、一瞬何を言っているのか考えてしまったが、思考が追いつくと慌てて目を瞑り魔力を集中させていく。 「そんなに慌てんでも(笑)」 男の言葉を流し、集中させた魔力で離れた場所でも会話をすることができる【念話】を発動させる。 ネ[ママ!パパ!ーー ネルは今現在の時間なんて忘れ夢中になって自分の病気が治った事を伝えた。 そしてその病気を治してくれた彼を説明しようとし、彼にまだ名前を聞いていない事に気づく。 ネ「あの、名前を教えてもらってもいいですか?」 目の前に居るはずの彼に聞いてみるが、何時まで経っても返答が無い。 不思議に思いネルが目を開くと、そこには誰も立っておらず、唯開けられた窓から入ってくる風にカーテンが煽られているだけだった。 ネ「あれ?」 突然現れて突然と消えた彼。 彼を探そうとしても名前も聞いてなかったネルには、開きかけた口を閉じ某然と立ち尽くす事しか出来なかった。
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