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ドラゴンの口から漏れる炎が一層強くなり、身体を後ろに反らし胸を膨らませる。
上位の魔物のみに許された必殺技、
”ブレス”
灼熱の炎に視界が赤く染まり、死を目の前に私は現実から逃避するかの様に瞼を閉じた。
ミ「(………あつくない?)」
1、2、3と何時までたっても来ない熱さと衝撃に恐る恐ると目を開く。
そして最初に見えたのは黒い誰かの背中。
「よぉwwだいじょーぶっすかwwwwww?」
振り向いたその人は黒い髪に黒い瞳、そして見たこともない黒い服装をしていた。
私の顔を見て「美少女キタコレwww」と笑う彼は、ドラゴンから私を守ってくれた様で、彼より後ろはドラゴンの炎による被害を全く受けていなかった。
そう、彼より後ろは。
彼の立ち位置は私とドラゴンの間。
そして…
ミ「そんな……」
騎士達と私の間だった。
彼とドラゴンの間は焼き尽くされた様に黒一色。
そこには騎士達とわかるものは何一つ存在しなかった。
「GYAAAAOOOOOO!!」
ミ「っ??」
ドラゴンの鳴き声に体が震える。
ミ「(そうだ、まだ何も終わーー
「うっせーなwwせっかくフラグ回収してんだから」
男が意味のわからない言葉を使いながら親指でコインを弾いた。
「黙ってろやwwww」
落ちてきたコインを男が再度親指で弾くと、ドラゴンに向かって光線が放たれ、ドラゴンを貫通しそのまま光の線を残しながら消えていった。
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