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男の叫び声が聞こえ、テンションが超から普通に戻った俺は叫び声の聞こえた方向へ駆け出した。
途中に、猛獣の様なとんでもない鳴声に足を止めるか迷ったが、無事に目的地に到着した。
最初に見たのはドラゴンがブレスを吐き出し、それによって焼かれる鎧を着込んだ者たちと、その後ろにいるドレスを着た少女だった。
ドラゴンのブレスが鎧を着込んだ者たちに当たる瞬間に、少女の前に突如として現れた”学生服の男”。
鎧の者たちが、ブレスによって跡形も無く消え去ったにもかかわらず、そいつはフラグ回収に勤しんだ。
邪魔なドラゴンを瞬殺し少女に迫るその男に、少女は怯えた様子で一歩また一歩と下がっていく。
男もまた、一歩ずつ離れた分の距離を埋めていき、男の吐いた言葉に俺は力を使った。
黒「(此処に居る者たちを眠らせる)」
男が怒鳴りながら地面に倒れて、少女の方は運良く草むらに倒れてくれた。
俺は様子を伺っていた草むらから出ると、改めてその場を確認していく。
体の中心を超電磁砲によって撃ち抜かれたドラゴン、鎧の男たちがいた焼け野原、そしておそらく俺と同じ転生者の男。
着ている学生服で、この世界へ来てから間もない事が予想できた。
喋った時の雑草や、アニメの力を使うチート能力。
正直めんどくさい奴だと思った。
それでも俺が首を突っ込んだのは、あの少女が目を覚ました時に今日一日がハッピーエンドで終わる様にするため。
俺はシリアスがとことん嫌いだからなっ!
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