自分の力量を知っておく事は大事。

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さてと、やりますかっ! 黒「にゃー!(テキトーに生き返れ!)」 俺の叫びに伴い、先程までとは比べものにならない魔力が集まりだす。 その効果はすぐに現れ、ゲームなどでよくありそうな、だけどポリゴンとは違った綺麗な光が集まっていき、幻想的な光景を生み出す。暫く目を奪われていると、それらが霧散し其処には鎧の男達が横たわっていた。 黒「(本当はメガザルとか使いたかったけど、あれやっちゃうと死んじゃうしなー)」 若干心残りはあったものの満足のいく結果に終わり、このままエスケープしようと考えてる。 「うそ……」 奥の草むらが揺れて1人の少女が現れる。 黒「(……ってあれー?なんで眠ってないのっ?)」 空いた口が塞がらないとはこの事だろう。 俺と少女の視線があい、沈黙がその場を支配した。 黒「にゃぁ?(見た?)」 恐る恐る聞いた質問に少女は一度頷く。 ダラダラと嫌な汗が流れ、思考を高速回転させる。 別に猫である俺が力を見られた事に焦っているのでは無く、問題は見られた力の種類である。 蘇生魔法。 そんなものはこの世界には存在しない。 当たり前だ。ネルの病ですらどうしようも無かったのに、人を生き返らせる魔法があるわけも無かった。 いつ戦争になるかわからないこの世界で、その魔法は喉から手を出してでも欲しいものだろう。 もし一匹の猫が複数人同時に蘇生する魔法を使ったなんて知られたら、世界中の国の猛者達が集まり奪い合いになる。 下手すればマリーにも被害が及ぶかもしれない。 そんな……、 そんなシリアス確定展開なんぞさせてたまるかっ!
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