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長い1日が終わる。
学園の中心にある時計塔から鐘の音が鳴り、私は一つ息をついた。
朝、魔力に気づいた私は玄関で友人と泣き、笑ったあと学園の先生に報告をしに行った。
突然の事で先生達も驚きを隠せない様子で、祝福の言葉と昨日から今日の朝までにあった事を聞かれた。
特に心当たりが無かった私は「起きたら魔力がありました。」と答え、困った様に唸る先生達に教室へ戻るよう指示された。
教室でまっていたのはクラスメイト達からの好機の目。
周りでヒソヒソと昨日までとは違う話題で盛り上がるクラスメイト達と、何故か目があった瞬間に舌打ちされたイフォルマ君。
私は自分の席に着くと、周りから突き刺さる視線に耐えきれずに俯いて先生が来るのを待った。
時間は気にしていると全然経たないもので、教室に入った時にはあと5分も無かった時間が10分にも20分にも感じ取れた。
ようやく時計の長い針が一つ進んだ頃、後ろから今朝一緒に泣いて笑あった友人に声をかけられた。
カ「なに俯いてんのよ?マリー」
マ「か、かなぁ~」
心許せる者の声を聞き、不安やら緊張やらでいっぱいになっていた私は、涙を堪え友人に抱きついた。
カ「全く、もう皆と同じなのだからもっと胸張っときなさいよ」
言葉ではそう言いつつも、カナは私の頭を撫でてくれる。
私にとってカナは友人であり、お姉ちゃんのような頼れる存在。
本当の姉妹だったら良かったのにと何度も考えたこともある程に、私はカナに依存していると自覚していた。
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