自分の力量を知っておく事は大事。

19/24
前へ
/97ページ
次へ
その後、さっき迄とは打って変わり時間が経つと先生が教室に入ってきた。 そして生徒の出席、今日の報告などを面倒だとすっ飛ばし「1限目は魔法訓練をするから訓練所にしゅーごーなー」と言うと転移で消えてしまった。 そんな先生に皆はもう慣れたのか、「訓練所だりー」「新しい魔法成功させるぞー!」などと先生に全く触れること無く移動して行く。 カ「マリー、私達も行こっか」 カナが私の机迄来てくれて、私も立ち上がる。 初めての魔法授業。 周りの皆が慣れてしまったことを、私は今日初めて行うのだ。 マ「頑張らないと…」 小さく呟いた私の声は、隣にいたカナにも聞こえていなかった様で、何か言った?と聞かれたが私はなんでも無いよ。と答えた。 そして人生初の魔法授業を終えた私は… マ「はぁ~…」 カ「マリー、またため息出てるわよ?」 落ち込んでいた。 マ「うー、だってー…」 生まれて初めて魔力を扱ってみて、私は同い年の皆と途轍もない壁を感じていた。 周りの皆が中級クラスの魔法をドンドン発動している隅っこで、私は下級クラスどころか初級クラスの魔法すらまともに発動することが出来なかったのである。 カ「だ、大丈夫よ、私がコツとか教えてあげるから!」 マ「うぅ、ありがと」 カナに慰めてもらいながらも寮へ向かっていると、前方から黒猫もとい私の使い魔がトコトコと歩いてきた。 マ「あれ?クロ、どうしてここに?」 私の足元にやって来たクロを抱え上げ、質問してみるものの返ってくるのは猫独特の鳴き声のみ。 最初、召喚陣の上で話しかけられたのは気のせいだったのかと、今では思う程クロは普通の猫だった。
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!

127人が本棚に入れています
本棚に追加