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…ふむ。
これは少し意外だな。
てっきり使用禁止されるもんだと…って、まさか!
黒「まさか、今日の分の代償を払えとか言わないよな?」
今日はまだセーフの筈だ。
なんせ、代償の話も糞もされてなかったんだから。
俺は多少の威圧をかけながら神を睨みつける。
神「わ、わかってます!今回のは此方のミスなので、代償は無しにします」
よっしゃ!ラッキー☆
黒「じゃぁ、代償についてだ」
俺は話を早々に切り替え、今回の最も重要な部分に触れた。
黒「そうだな…、人一人に対する代償はーーー
神「それについては話せない」
ーーーなに?」
神「それを話せば覚悟なり対策なり出来てしまうので、話すことは出来ません」
チッ!
なるほど、そうすることで使用する時に恐怖心を誘い、抑制することも出来る。
だってそうだろ?
代償は何かはわからない。つまり片腕を持っていかれたり、片足を持っていかれる可能性もある。
しかし、それなら義手や義足で補う事も出来てしまう。
だが、例えば記憶だとしたらどうだろう?
まだ地球にいた時の記憶だったり、此方で知り合った奴らとの記憶。
もちろん記憶を失った事に気付いていないわけだから、使った本人としては気づかない程度の代償だと思い抑制出来なくなってしまう。
しかし、その後に待っている未来は必ずと言っても過言で無い位辛いものとなるだろう。
厄介な。
神「それじゃぁ、後は戻ってから考えて下さい」
思考を繰り返していると神がそう言って指をパチンと鳴らした。
と、同時に目の前は暗くなって行き、世界が暗転した。
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