127人が本棚に入れています
本棚に追加
パチリ
やけに煩い時計の針の音で目が覚める。
目の前には昨夜、一緒に寝たマリーの顔があった。
時計に目を向けると12時半を指している。
まだ深夜だ。
確か今日は8月15日……ハッ!
……何てことも無く、別に窓の外から蝉の鳴き声も聞こえて来ることは無かった。
さて、ひと遊びしたところで当面の目標を考える。
先ほど迄の神との会話を思い出す。
もう、蘇生魔法はあまり頼らない方がいい。
つまり、その場の問題はその場で片付けなければいけない。
後悔はしたく無い。
ならどうすれば良いか…
黒「ニャー(ギルド行くか…)」
持っているものを最大限に扱える様に成れば、俺程の化け物が取りこぼすものは極少量となるだろう。
今のままじゃダメだ。
早急に力をつける必要がある…。
そのためにギルドへ行こう。
依頼をどんどん受けて、チートの熟練度を上げる。
黒「ニャー!(作戦は”ガンガン行こうぜ!”だ!」
寮に猫の鳴き声が木霊する。
幸いマリーが目覚める事は無く、声を聞いたからか寝言で俺の名を呼んでいた。
黒「ニャー(シリアスに出番はやらねぇ)」
マリーをみてそう言うと、クロは瞼を閉じて再び眠りについた。
最後に見せた瞳には、普段には無い強い意思が込められていた。
最初のコメントを投稿しよう!