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レ「俺、魔法使えないんですよ」
魔盲ではなく、ただ極端に魔力が少なく魔法を扱う事が出来ないらしい。
その日から彼は、1人ではなくなった代わりに前の私と同じ様な目にあっていた。
私はカナに相談し、呆れた顔で笑うカナとライケット君がいじめられていたら助ける様にしている。
でも、私たちの目の届かない場所で彼はいじめられて居るんだろう。
休み時間が終わると、顔や腕に痣があったりするのに気づいている。
それを見ると頭痛がし、気分も悪くなる。
そして、嫌なことを思い出す。
一ヶ月前までの自分を…。
本当に辛かった日々を…。
1人は辛い、私は知っている。
その痛みを
友達がいれば乗り越えていけるのも知ってる。
なら、私は……。
「あー、明日ギルドに依頼を受けに行くらしい…。お前ら適当にグループ作っとけー」
レンディ先生が朝のホームルームで、何時もの様にダルそうに言った。
そして、すぐに転移で帰る。
先生が帰ると生徒達は明日のギルドの話で持ちきり。
既に仲の良いグループは出来ており、それぞれの生徒が自然に5~6人の集団を作っていく。
私も他の生徒達とぶつからないように、カナの机まで行く。
カ「ギルドかー、ちょっと楽しみかな」
マ「そうだね!何処のギルドがいいかなー?」
カナと雑談していると視界の端に1人でいるライケット君が映る。
マ「ね、ねぇ。カナ」
カナに視線を戻すと、私の目をじっと見つめていて、少しすると「はぁ~」とため息をついた。
カ「しょうがないなー」
そう言ってカナが立ち上がる。
私も立ち上がりながり、歩き始めた。
ライケット君との距離が縮むに連れ、周りから話し声がなくなっていく。
私とカナがライケット君の机の前に着いた時には、クラスの誰もが私達に注目していた。
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