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窓際最後列のライケット君は、窓の外から私に視線を向ける。
レ「……なに?」
マ「グループなんだけど…一緒に組まない…?」
なんだか、自分が悪い事をした様な気がしてくる程、彼の口から吐き出された言葉は冷たく、一切の感情を見せないもので…
私は弱々しくグループに誘ってしまう。
レ「ふーん」
彼は、私のことをもう一度上から下まで見た後…
レ「じゃぁ、お願いしようかな」
そう告げた。
マ「ほ、本当にーーー
イ「おい!落ちこぼれがグループ作ったぞ!しかも相手は元落ちこぼれだ!ぷっ、お似合いだなー!」
突如叫ばれたイフォルマ君の言葉と笑い声にクラス中の生徒達がつられて笑う。
私は何も言うことも出来なくなり、続く筈だった唇を閉じた。
レ「…」
ライケット君は何も言わず、しかし顔だけは此方を向けて黙っている。
カ「マリー、気にしないで?ほら、せっかくオーケー貰ったんだから明日の予定たてよ?」
マ「カナ…、うん!そうだね!」
周りは相変わらず笑っているけど、私たちは明日の予定について3人で話を進めることにした。
カ「んー、まずは何処のギルドか、よね」
マ「やっぱり聖なる剣かな?」
私は、王国で1番有名なギルドであり、世界最強と謳われる全帝の居るギルドの名を告げる。
「おいおい、お前らみたいな落ちこぼれが聖なる剣の格を落とすんじゃねーよ!」
何処からかそんな事を言われ、それに続く様に非難の声が殺到した。
痺れを切らしたカナが立ち上がろうとした時、ライケット君が始めて自ら口を開いた。
レ「いや、ギルドは矛盾が良い」
まるで周りの声が聞こえていない様に、声色を変えずに言った彼に私とカナは数秒の間を作ってしまったものの了解の念を伝える。
元々、聖なる剣に強い思い入れも無かった私達は行き先を矛盾へと決定した。
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