ライオンは我が子を崖から落とすんだって

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「ねぇ」 不意に後ろから声をかけられ、ビクッと体が跳ねた。 後ろを振り返るとそこに居たのは1人の少女。 藍色の髪に縁なしメガネをかけた、同学年の中では小柄な彼女。 名前はクリア・シルフィード・レース。 魔法において同学年では群を抜く実力者だったりする。 マ「な、何かな?」 普段あまり喋ることをせず、此処とは真逆の席で常に本を読んでいるクリアから、声をかけられてどもってしまう。 ク「私も…」 ……? カ「えーと、チームに入れてって事?」 え?そんな、クリアさんは学年一の実力者なんだよ? そんな訳が…なんて考えているとクリアさんが小さく頷いた。 再びクラスに沈黙が到来した。 「クリアさん!俺たちのグループに入りなよ!」 「いや!私達のグループよ!」 1人の男子が呼びかけたと同時に皆がクリアさんに呼びかける。 しかし、そんな彼らを ク「嫌、貴方達の事…嫌い」 バッサリと切り捨てた。 皆がショックを受け、固まってしまっいどうしようかと考えていると ク「それに……」 クリアさんの言葉はまだ続きがあったみたいで、クリアさんは私をじっと見つめながら「貴方に興味がでた……」と言った。 えーと、どういう意味なんだろ…? カ「マリーに?」 カナの視線が少しキツくなる。 クリアさんは気にした様子も無いけれど…。 ク「そう。兄さんのお気に入りだから……」 マ「ふぅあ?」 突然の話に変な声が出てくる。 お、お気に入りって……?? カ「へぇ、マリーを好きになるなんてなかなか良い男ね」 す、すすすすすすすすき?? ク「む!好きとは言ってない……」 クリアさんは少しむきになって反論する。 あまり表情の変化の少ない彼女だが、今ばかりは誰でもわかる程御機嫌斜めにみえた。
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