ライオンは我が子を崖から落とすんだって

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ク「”カブツ”、兄さんの二つ名……」 ガタンと椅子が倒れた。 それはライケット君が勢いよく立ち上がった為に、椅子が反動で飛ばされたから。 しかし、本人は気にした様子も無く、立ち上がった状態で酷く驚いていた。 かく言う私も、いやクラス中の人達が驚いている。 ”カブツ”その名は新しく出来たオーバーランクの1人なのだから。 レ「そ、そいつとは何処で知り合ったんだ?」 ク「シルフィード家が依頼を出した時……」 レ「どんな依頼を?」 ク「それは言えない……」 レ「な、何故?」 ク「……」 レ「……いつ頃に?」 ク「私が学園を数日休んだ時……わかる?」 レ「あ、あぁ…」 ク「じゃぁ私からも質問……何故そんな事を聞くの?貴方は何者?」 レ「……そんなんじゃ無いさ。ただ、新しいランクオーバーが現れて興味があっただけ」 ク「なら、ギルドは聖なる剣にするべき……」 レ「……カブツに興味があるんだ。彼は他のランクオーバーともギルド員達とも少し違うと聞いたもんでね」 異常な迄にカブツさんの事を聞き出そうとするライケット君、そしてそれに応えるクリアさん。 2人はお互いの腹を探り合うかのような会話を続け、見ている此方がハラハラする。 レ「カブツの居場所は知ってるのか?」 ク「知らない。会えるのは矛盾でだけ……」 レ「最後だ。彼は、カブツは強かったか?」 ク「……名は体を表す」 レ「なんだと?カブツには何か別の意味があるのか??」 クリアさんがゆっくりと瞼を閉じ、そしてゆっくりと開いた。 すると、今迄と空気が変わった様な、クリアさんの雰囲気が元に戻った?様な気がした。 ク「これ以上話すことは無い………」 ライケット君が下唇を噛む。
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