ライオンは我が子を崖から落とすんだって

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突然の申し出に私達生徒は勿論。先生迄もが「え?」と声をあげた。 メ「まず一つ目として討伐系の依頼は受理不可、二つ目として2グループ以上で無ければEランクの採取系の依頼も受けることが出来ません」 コナンさんは相変わらず優しそうな笑みで眈々と話していく。 しかし、私達の中にそれを許さない人物が居た。 イ「ふざけるなっ!俺は討伐系の依頼を受けに来たんだ!」 もちろんイフォルマ君である。 でも赤い髪の男子生徒もそうだそうだ!と声をあげているし、その周りもグループ内でヒソヒソと話している。 メ「そうですか、それでは他のギルドへ行ってください」 パチンと指を鳴らした音がなり、私達以外のグループの足元に魔法陣が浮かびあがる。 イ「なっーーー??」 そして言葉を発する間も無く、その姿は消えて行った。 何故かイフォルマ君と赤髪の男子生徒が此方を振り返って来たんだけど…… それに今の強制転移、展開から発動迄の時間が凄く短かった。 一体誰が……? メ「…カブツ様、せめて一言声をかけてからにして下さいよ」 コナンさんから優しそうな笑顔が消えて、視線を後ろへ向けるとギルドの奥に向けそう言った。 えぇ?、カブツ様って…! 「だってすごい煩かったんだもん」 そう言いながら1人の男性が現れる。 黒い髪、黄色の瞳。 黒いTシャツに白色のパーカーを羽織り、暗い色のズボンを履いた私と同い年くらいに見える青年。 ラ「カブツ…」 ライケット君が小さく呟いたが、それは、 ク「兄さんっ!」 何時もと別人に様変わりしたクリアさんによって、誰にも聞き取られる事はなかった。
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