人にはそれぞれ譲れないものがある。

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カナと共に学園にいき、教室に入るとやはりと言うかクラスの皆も少し緊張しているようだった。 ピリピリした空気のなか自身の席に着く。 私の席は窓側の真ん中。 カナはその後ろ。 席に着くと教壇で話をしていた1人の生徒と目があい、思わずビクッと体が震える。 その生徒はニヤリと嫌な笑みを浮かべると此方に歩み寄ってきた。 「おや、落ちこぼれさん。君も今日の召喚授業に参加するのかい?」 落ちこぼれ、その単語に再び体が震える。 カ「あんたねぇ、私の友達に悪口かしら?」 「おや?そんなつもりは無かったのですが、魔力無しの彼女を何て呼べば良いのか僕には分からなかったのですよ」 魔力無し。それは魔法によって生活をしているこの世界の人達にとってはあり得ないことで、まさに落ちこぼれと呼ばれても仕方のないものだろう。 カナも言葉を詰まらせ悔しそうに睨みつけている。 「おー、怖っ!」 そういい、彼は嫌な笑みを浮かべたまま去って行った。 マ「カナ、ありがと」 私の為に怒ってくれたカナに感謝の念を伝える。 カ「お礼なんて良いわよ、友達なんだから!」 まったく、イフォルマの奴。なんて言いながら先程の生徒を睨んでいる。 カナならそう言ってくれると分かっていた、何時だって私の見方で居てくれたカナだから。でも マ「うん、ありがと」 こんな私と友達だって言ってくれるカナに私はもう一度感謝の言葉を伝える。
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