ライオンは我が子を崖から落とすんだって

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「おぉ、クリア!来ると思ってたよ」 クリアさんが小走りでカブツさんに寄って行く。 そしてそのままカブツさんに抱きついた。 ク「兄さん!」 ……えーと、あれってクリアさん…だよね? なんだか何時もと雰囲気が全然違うんだけど。 「クリアは可愛いなー!」 カブツさんがクリアさんの頭を撫でながらそんな事を言った。 すると、クリアさんがピタッと止まり、 ボフンッ そんな音をたてて、倒れそうになったクリアさんをカブツさんが受け止める。 マ「く、クリアさん!大丈夫?」 ク「きゅ~~~」 クリアさんは顔を真っ赤にして、目がペケになっていた。 なんだか、クリアさんもカブツさんも想像してたのと違うっ? メ「はぁ、またですか…」 またって、前にもこんな事があったの? コナンさんは、困った様に眉を寄せ笑う。 その顔は妹を見守るお姉さんの様だった。 メ「それにしても、カブツ様…先程転移させた生徒達のことですが…」 「あぁ、取り敢えず聖なる剣の前に転移させといたよ。あそこならあいつらも文句ねーだろ?」 メ「いえ、そんな事を聞いてるのでは無く、ちゃんと話を最後まで聞いてもらっていたらここでも納得したのでは?と言ってるのです」 最後まで?あ、そう言えばまだ二つまでしか聞いてないから三つ目のルールがあるんだ。 「えー…、どっちみち煩そうだし、嫌だ」 カブツさんはそんな事を言いながら、ヒョイっとクリアさんをお姫様抱っこすると近くに置いてあるソファーの上に寝かせた。 そして、羽織っていたパーカーをクリアさんにかけてあげる。なんだか本当のお兄ちゃんみたいだった。
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