ライオンは我が子を崖から落とすんだって

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そのまましばらく、メイとイチャイチャ恋人ごっこをしていると学生3人が話しをつける前にクリアが目を覚ました。 そして俺とメイを見て頬をぷくーっと膨らませる。 俺は苦笑いし、クリアの頭を撫で回した。 膨らんでいた頬はみるみるしぼんでいき、何時もの可愛らしい笑顔へと変わっていた。 いや、何時もを知らない俺からすればクリアの笑顔はデフォなのだが、どうやら学校などではそうでもないらしい。 なぜ分かるかと言われれば、クリアが起きた事に気付いた学生3人が驚きの表情で此方を見ているから。 それに先程も驚いていた様子だったし、学校ではクリアの笑顔は希少価値なものなのだろう。 こんなに可愛いのに勿体無い…。 しばらくの間クリアの頭を撫ででいると、惚けて固まっていた3人が動き出した。と言うよりこっちに寄ってきた。 カ「クリアさん。ちょっといいかしら?」 カナに呼ばれ空気を読んだ俺が頭から手を離すと、クリアはずっと笑顔だった表情を無にする。 ク「………なに?」 たっぷり間が空き、それだけ返事するクリア。 今度は俺が驚いてしまった。 学校ではクーデレなんですか? その反応に眉を八の字にするカナ、クリアと新しい部分に萌えている俺。と軽くカオスを作られた。 あ、そうだ。 そう言えばクリアと初めて会った時、彼女はこんな反応だった気がする。 とは言え、それは本当に初対面の時だけ。 次に会った時には既にクリアはデレデレだった。
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