人にはそれぞれ譲れないものがある。

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「おまえらー、席につけ~」 先生がチャイムとともに教室に入ってきて、先ほど迄騒がしかった教室が一気に静かになる。 それぞれの席へ座った生徒達は何時もより真剣に先生の話へと耳を傾けていた。 「あ~、そんじゃまぁ今日は使い魔を召喚するから、1限目から訓練所にこいよ」 先生はそれだけ伝えると「だりぃ」と呟きながら教室から出て行く。 そんな姿をみても今更誰も反応しない。 入学当初こそ注意する者もいたが、今では皆レンディ先生に対しては諦めていた。 レンディ先生が去って再び教室が騒がしくなる。 それぞれが数人のグループを作り、どんな使い魔が良いとか、あの使い魔が恰好良いとか、可愛い使い魔が良いなどと話題は尽きそうな様子をみせない。 「俺!全帝みたいなドラゴンがいいなっ!」 1人の生徒が言ったキーワードに教室中の生徒が食いついた。 ”全帝”それはこの王国にあるギルドの一つ、”聖なる剣(つるぎ)”のTOPに君臨する者の名である。 聖なる剣はこの王国で1番の実力を持っていると言われ、学生達にとって全帝は憧れの的だった。 赤、青、緑、黄、茶、白、黒と自然属性全てを自在に操り、白銀に輝くドラゴンを従え、戦いにおいて圧倒的な強さを誇るその姿は老若男女問わず大人気なのだ。
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