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カ「ありがと。マリーのお陰ね」
余裕のある少し大人な笑みにカブツさんが口笛を鳴らす。
するとクリアさんがすかさず、カブツさんの近くに寄って
黒「いて、こらクリア!抓るな!」
…あはは、仲の良い事で。
カ「マリー、ちょっといい?」
カナから呼ばれ私は内緒話をする様にしているカナへと耳をかす。
カ「カブツさんの事を考えながらやってみればいいと思うわ」
小声でそう呟かれ、ばっとカナから距離をとった。
カナが言った言葉の意味も、自分が慌てて距離をとった理由にも訳がわからなくなり、頭の中がぐちゃぐちゃになっていく。
カ「ほら、やってみなさい!」
カナに急かされ、一旦考えるのを止めて指示通りにして見る事にした。
マ「(えっと、カブツさんの事を…)」
カブツさん。
最初の印象は黒だ。
この街では見ない黒髪が凄く印象的だった。
そして何だか不思議な人で、少ししか知らないはずなのにこの人は”良い人”だって心の底から思っている私がいる。
まるで物語の勇者様。
仲間思いでみんなに優しい。
面倒ごとに自分から首を突っ込んでしまう。そんな人…だと思う。
それに偶に見せる幼い笑みにも何だか惹かれてしまう。
子供がイタズラに…リー…成功した様に笑うカブツさんの笑みに…マリ…心が乱される事があるのだ。
何時だったか、夢見たあの映像が思い…マリー!…っ!?
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