ライオンは我が子を崖から落とすんだって

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気づけば目の前でカブツさんが私の顔を覗き込んでいた。 マ「わっ!わわわ!?」 黒「お、おい!大丈夫か?」 後ろに倒れかけた私を、カブツさんが後ろに手を回し支えてくれる。 マ「って、ちかっ!?じゃ、じゃなくてお礼っ?ななななんて言えば良いんだっけ???!えーと、えーと!!」 黒「…………っぷ!」 グルグルと目が回り、頭も自分の状況が掴めずにいると、目の前にのカブツさんが吹き出してあはははと大笑いする。 黒「やっぱおもしれー」 最後に小さな声で言ったその言葉は私にしか聞こえなかったと思う。 やっぱって? 聞き返そうとした時にふと鼻についた匂いに、思考が止まった。 それはたぶんカブツさんからの匂い。 柑橘系の甘酸っぱい蜜柑の様な、とても良い香り。 私が使い魔のクロの為に買った、あのシャンプーと同じ香り。 長めの黒髪の奥にある金色の瞳と目があった。 彼は、ニヤリと笑うとスッと私を離した。 黒「良い感じだよ?もう完璧に”マスター”したみたいだね」 妙に強調されたその台詞は私の心を揺さぶり、私は何も言うことが出来ない。 だって……。 そんな事はあり得ないのに…… マ「…………クロ…?」
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