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彼女は、周りを観察する。
誰もが、スマホの奴隷なので、観察されている事に気付く者はいない。
少女は、荒涼とした景色を眺めている気分になった。
まるで、砂漠の真ん中に、一人で居る感じ。
だから、ふいに寂しくなって、立ち上がる。
もっとも、寂しくなくても、既に降りる駅に近づいていたので、立つ必要はあった。
駅に着くと、次の移動手段は自転車。
平日の昼下がりは、人通りも無く、無人都市に迷い込んだ気分になる。
これは、彼女にとって、非常に都合の良い展開と言える。
どう都合が良いのかと言うと、目撃者が居ない事。
何故なら、これから疚しい事をする予定だから。
それは、彼女の容姿からは、想像もできない恐ろしい事。
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