第1章 風の羅針盤

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第1章 風の羅針盤

ジェミナー・・・ ここは異世界と呼ばれる場所である。 自然、社会構造、エネルギー源、歴史・・・・。 全てにおいて現世とは違う価値観と常識により支配される世界である。 この世界が危機に見舞われた時、一人の少年がある目的の完遂の為実の母親の手により送り込まれた。 破滅に向かうジェミナー最後の希望として・・・。 二度と元の世界には戻れないことも知らされず・・・・。 まるで『人柱』のように。 彼は柾木家の二男、柾木剣士・・若干15歳。 彼は持ち前のバイタリティーを偉観なく発揮し期待通りの結果をだしたのである・・・。 そしてこの異世界に無くてはならない存在となった・・・・・。 しかし・・・予想外なことは何処にでも起きる。 安定と動乱は繰り返し訪れるものなのだ。 属領となったシトレイユ王国に不気味な影を落とす存在。 そのイレギュラーの力は途方もなく大きく、女神たちの計画に破綻を招き始めるほどになっていた。 その渦中にあって剣士の後を追い、ここにやってきた八塔寺順三はこの世界の復興を通じ人々の心の中にその存在を印象付けていった。 そして順三自身も気付かぬうちに多くの人々の希望となり進むべき道を海に吹く船風のように指し示していたのだ。 だが順三はただ、剣士に会い伝えるべきことを伝えることが自分の使命と思っている。 親友の剣士となら異世界でも楽しく過ごせると信じ。 この世界に自ら身を投じたのであった。 たとえ自分自身も二度と戻ることができないとしても。 image=484276867.jpg
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