第1章 風の羅針盤

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着信履歴 1 (ワウの秘密) きゅわわわわわわわわわ・・・・・ シュリフォンから結界工房に向かう一機の機工人。 ワウ・アン・リーの偵察型機工人である。 オープンデッキの操縦席にワウ、その横に同行する順三の姿があった。 ☆ワウさん、結界工房って高地にあるんですよね? ワウ『そうよ、高地の中央部に地中深くまで先史文明の遺跡を発掘した竪穴に浮遊システムで浮かぶ工房がたくさん設置された集合工房なのよ。』 ☆へー、そうなんだ。俺的には、工房ってイメージはなんか埃っぽくてガチャガチャ物があふれてるって感じなんですが。 ワウ『あははは、まあ大体あたってるわよ。聖機工ってあたしもだけど少し変わり者が多いのも事実だしね。』 ☆(うん・・・こっちのマッドサイエンティストもそんな感じだよな・・・・。) 伯眉鷲羽『・・・ふぇっくしょーぃっ!!・・・・ん????』 ワウ『でもこの世界の技術の中心って言うのは本当よ、亜法の研究や応用は全て結界工房が管理しているのよ。』 ☆ふーん・・でもその中に有ってもワウは異端な方だって感じがするね。 ワウ『そう?』 ☆うん、亜法がこの世界の技術の根幹なんでしょ?なのに蒸気動力に目を向けて機工人という別の可能性を探って実現したんですから、凄いことですよ。 ワウ『ほんと!?そう思うの順三!』 ☆ええ、いつの時代でも先遣のある者は簡単に受け入れられないものでしょう?いつか機工人もこの世界の新しい時代を担うものになると思いますね。 ワウ『いやいや、言い過ぎでしょ・・照れるじゃない・・。』 順三もワウもやはり技術畑の人間である。 お互い開発や技術の研鑽には意気投合するものがあるのだった。 ☆この機工人もそうだけど出力と慣性のバランスで芸術的な足回りのアブソービングを生み出してる。今までこんな機構は思いつきもしなかったよ。 ワウ『へへへ、すごいでしょ。今開発中のはもっとすごいのよ、積層バネに聖機師が亜法圧縮した金属を採用してるの。その剛性と反発力は応答性と脚力の向上が期待できるのよ。』 0image=484276901.jpg
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