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着信履歴 2 (放蕩の哲学士)
舞台はスワンの一行にもどる。
シトレイユにおける聖機師の逃亡について、剣士の国王としての意向を発表し一旦は事態の収拾がついてたのだが再び持ち上がった事態に困惑しているところであった・・・。
ラシャラ『やはり、ネストの残党の仕業じゃったのかっ!』
シトレイユ王宮での事件を知ったラシャラは懸案していたことが実際に起きてしまったことを知り、怒りを顕にしていた。
剣士『ダグマイア・ネスト・・・決闘を真正面から挑んできたから受けて発ったのに・・夜襲と物量でなんて・・・。』
侍従長マーヤ『ラシャラ様、今回の攻撃の詳細を聞くと不可解な事が。』
ラシャラ『不可解?』
侍従長マーヤ『はい、まず夜襲に際して聖機人だけで攻撃してきたそうです。』
ラシャラ『うむ・・何処から来たかは解らぬが母艦も無く稼働限界の事を無視しての攻撃など通常ありえんことじゃな。』
侍従長マーヤ『それに襲ってきた聖機人の形態がダグマイア・ネストを筆頭に失踪した聖機師たちの物と一致しないのです。』
キャイア(ダグマイア・・・・・)
話を聞いているキャイアがダグマイアの名を聞きわずかに憂いの表情を見せる。
ラシャラ『・・・キャイア、まだ気持ちの整理がついておらんのか?』
主としてキャイアの生い立ちから現在までの事情をしるラシャラはその反応を見て諌めるのでなく心づかいとしての言葉をかけた。
キャイア『ラシャラ様、ご心配おかけしてすみません。でもあたしの心はもう揺らぎません・・・ただ、幼馴染としてこんなことは起こしてほしくはなかったと・・。』
キャイアとダグマイア・・・二人はともにシトレイユ皇家に仕える名家の出である。
聖機師としての能力を持った二人は幼いころから場所を同じに育ってきたのだった。
男性聖機師でシトレイユ宰相の長男、そして端正な顔立ちと均整のとれた風貌をもったダグマイアにキャイアはいつしか惹かれていったのであった。
だがそんなキャイアの思いすらダグマイアは剣士の暗殺に利用しようとしたのだ。
剣士の眠るテントに忍び込み剣を抜き構えたキャイア・・・。
しかしその剣は振り下ろせなかった。
テントから出てきたキャイアの前に腕を組んだラシャラが待っていた。
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