413人が本棚に入れています
本棚に追加
/220ページ
随分と長い間意識が飛んでいたようだ
「・・・・・・、あー、ああー、あああー」
なにしてんだ、僕
将来について思考を巡らせただけで、こんなにも狼狽えて。走り出して狼狽して。挙句体力切れでぶっ倒れるなんて、頭がおかしいと言われても否定できない
あー、でも、頭がおかしいって言われるのはちょっと嬉しいかもしれない
でも、今の僕の現状を顧みるに、頭がおかしい、というよりは
「・・・・・・、ただの間抜けだよなぁ・・・・・・」
くっそ、格好悪い
いつまでも路上に座り込んでいては、間抜け具合が加速するだけなので、ゆっくりと立ちあがる。一瞬、膝がガクッと俯いた。が、思ったより酷くない
路上でも、眠ることである程度の体力回復を測れたようだった。壁に寄りかかりながら、大きく深呼吸を行う
「・・・・・・、うん」
とりあえず、歩こうか
姉や母さんは、どうしているだろうか。急に飛び出していった馬鹿なガキに、心配とかしているのだろうか?
・・・・・・、わからない。でも、今姉に会うのはなんだか気まずかった
家に帰るのは、もう少し覚悟が決まってからにしよう、と後ろ向きな決意をする。友人と三日後に会う約束をしてしまっているので、それまでには帰らなければいけないだろうし
そもそも、財布も持たずに飛び出して来たら、それ以前には確実に帰るだろうけど・・・・・・、携帯だけは何故か持ってきていた
最低限の備えは、無意識のうちにしていたのかもしれない。そのところも含めて、実に格好悪かった
「・・・・・・、うあー」
自分の不甲斐なさに、思わず呻く。しかし、もう走りだすことはしない。もう今日だけで一か月分くらいは走った。マジで
途中から意識が朦朧としていたから、正確にはどれくらい走っていたかよくわからないんだけれど・・・・・・、まあそれくらい走っていたということにしておこう
体感疲労的には、それくらい走っていた気がする
最初のコメントを投稿しよう!