413人が本棚に入れています
本棚に追加
/220ページ
頭が痛くなりそうだった。わけがわからない。くそ、どうなってんだよこの街は!!!
ぐ、く、と、とりあえず逃げよう・・・・・・、ゲームの中の情報をあてにするのもどうかと思うけれど・・・・・・、でも、あの化物が僕に対して友好を抱いているとは考えにくい
仮に抱いていたとしても、そんなものはこっちから願い下げだ
奥歯を噛みしめながら、僕はそっと後ずさった
その瞬間
「―――っ!!?」
ぎょろりっ、と、その化物の金色の瞳が、僕を捉えた
―――、見つかった!? な、なんで、足音なんてほとんど立てないのに―――、く、そ、な、何なんだよもう!!
僕を視認したと思われる、そのゴブリンは、〝にたぁぁぁぁ〟と口角を吊り上げて、牙を剥き出しにする
口の端から唾液が垂れて、道路に文様を描く―――、う、が、気持ち悪い。だけれど、そんな風に気持ち悪がっている暇はなかった
まるで、踊るような動きをしながら、そのゴブリンが僕の方へと〝跳ねて〟きた。棍棒を振り上げて。牙を剥き出しにして
「う、あ、ああああああ!!!?」
なんだ、なんだ、なんなんだよ!! 僕は思わず横へと飛びのく。瞬間、ゴブリンがついさっきまで僕のいたところに着地した
あのままだったなら、確実に飛びつかれて組み伏されていた―――、その後のことは、考えたくない
「く、っそッ!!」
僕は呟いて走りだす。ダメだ、あんな化物とまともに戦えるわけがない。そもそも僕に戦いを期待するほうが無理と言うものだ
コンクリートを思い切り蹴って、必死に前進する。逃げる。今度は現実からじゃない。あの化物から
逃げなきゃ、やばい。直感的にそんな気がした。僕の直観はよくあたる(嫌な予感限定)
最初のコメントを投稿しよう!