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「・・・・・・、あ」
そして、同時に、オークの手足が痙攣したかのように震えて、震えて震えて―――、やがて、止まった
それは、つまり
オークの命が、絶たれたことを意味していた―――、ごぼごぼと、オークの喉の奥から、血が溢れて、アスファルトを濡らす
「・・・・・・、く、そ」
気持ち悪い
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い
折角、頑張って、死ぬ気で生き延びたのに
不覚にも
たったこれだけのことで、死にたくなってしまった
「・・・・・・、もう、いやだ」
なんで、僕がこんな目に遭うのだろう。こんな気持ちにならなければいけないのだろう。この間から、絶え間なく溢れ続けるこの疑問
答えは未だ出ず
ただ、自然と涙がこぼれるばかりだった
「・・・・・・、絶対に、生き延びてやる」
目の前で動かなくなった、肉の塊を見て、僕は再度、そう誓う
生き延びる
生きて、この空間から逃げ出す
―――、いや、逃げ出すんじゃない、終わらせるんだ。こんな世界、もう、どうしたってどうにもならないだろう
だから、僕が手を伸ばすべきなのは、コンティニューでもロードゲームでもゲームオーバーでもなく
ただただ、ゲームクリアだけ
「・・・・・・、やって、やる、ぞ」
目の前の遺体を、もう一度だけ一瞥して―――、僕はゆっくりと、来た道を引き返す
からからと
青銅の槍を引きずりながら
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