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慧から連絡があったのは20時半を回った頃。 琴似本通り沿いにあるファストフード店で食事を取った私と結月は、慧からの連絡を受けて地下鉄琴似駅に近いカラオケ店へと向かう。 このカラオケ店が入っているビルは8階建てで、この界隈の雑居ビルの中でもかなり大きい方だ。 カラオケ店の受付がある3階のフロアーへ向かうと、受付のすぐ傍にあるソファーに慧と2人の男性が掛けていた。 「おー、来たか。」 慧は小さく手を挙げて私に合図し、隣にいた結月に向かって小さく頭を下げた。 彼と一緒にいた男性は2人共慧とは違ったタイプ。 1人は慧と同じ年齢くらいで、背の低い特に目立った特徴のない人。 もう1人は私たちよりも若い感じで、パンキッシュなダメージジーンズに大きなプリントの入ったTシャツといった装いだった。
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