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突然の大音量音楽が流れる。視線を音の先に向けるとたむろする若者たち。
そして踊り出す。
「いろんな人がいるんだねえ」
彼女はトウモロコシを食べるのに必死のようだ。
「公園にいる鳩はトウモロコシを狙ってくるんだって」
確かに俺の足元には既に一羽の鳩が歩いている。
「お前にはやらんぞ」
鳩に呟いたところで分かるはずはない。馬鹿馬鹿しく思いながら二人でトウモロコシを食べた。
一生懸命俺の前をウロウロする鳩。向こうから歩いてきた子供と母親が鳩を怖がる子供をなだめている。
鳩は色んな病気を持っているからな、子供が恐怖感を持つのは自己防衛本能から来るものなのだろうか。
などと考えつつ最後の一口をかぶりつく。
彼女は既に食べ終えて公園を眺めていた。
「さて、そろそろ帰ろうか」
「そうね行きましょうか」
そんな土曜日の昼下がり。
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