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“あんな奴”
“横取りされたんだ”
……?
えっ?
ま、まさか…
「ねぇ?もしかして…私と付き合ったら、課長が悔しがるとか・・・思ってない?」
その時、少しだけ目を泳がせた小林を私は見逃さなかった。
「…思ってないけど…」
その顔は…思ってるよね?
バカだね…
「残念だけど、課長は私のこと好きなんかじゃないよ?」
裕のどの態度を見て
そんな思考が浮かんでくるのか、不思議でしょうがない。
「まぁ…俺も課長の気持ちなんてわからないんだけどね」
微笑しながら小林はコクコクうなずいてる。
やっぱり小林は本気で口説いてきたわけじゃなかったんだ・・・って思ったら
なんだか拍子抜けしたのと
もう話は終わりにしようと思って鞄を手に持ったら
「じゃぁさ、それ直接本人に確かめてみたら?」
って、まるでいいアイディアがひらめいたかのように目を見開いている。
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