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しかし、休むほどの間など無かった。敵装甲車の奇襲によって敵ロケット砲手を牽制していた第1小隊の攻撃の手が大幅に緩んだせいで、その軛から解放された砲手が今こそ18式4両を葬らんと対戦車砲を構えたのだ。
更に敵装甲車も次なるターゲットを18式へ向けるように砲塔を回転させ始める。
しかし、それに対し装甲小隊指揮官は一切取り乱すこと無く素早く対応した。
『全車、目標を指示した。誘導弾発射用意!』
18式装甲戦闘車の大きな特徴の一つとして、車両間でのデータリンク(情報共有)システムが挙げられる。これは10式戦車開発時に搭載された同系システムを更に発展、高度化させたもので、部隊長が車内に内蔵されているタッチパネルで同部隊の車両への移動指示、攻撃目標の指定等を行うことができる。
これによって味方間での情報共有や、オーバーキル(重複攻撃)等を避けつつ、迅速かつ効率よく部隊を動かすことが可能となった。
今まさに、装甲小隊指揮官はこの装置を駆使して、指揮下にある4両へ素早く攻撃目標を指示したのである。
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