Counteroffensive-反撃の鯨波-

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「ゴー、ゴー、ゴー!」 号令と共に隊員達が雪崩れ込む。 直後、単発で弾丸を放つ音が屋内に数度響き渡った。どうやら中国軍兵士が隠れていたようだ。しかし突然の爆発と鉄扉の襲来によって怯んだ中国軍兵士数名は、僅かに対応が遅れてしまった。 その隙を突いた隊員達が、その目で捉えた敵兵を撃ち抜いていき、瞬く間に一階を制圧した。 「クリア!」 「そのまま二階へ向かえ!」 数名がその場を確保、残りの隊員達は無駄の無い動きで二階へ向かうため階段を駆け上がる。 ポイントマンを担った隊員が上り切り二階フロアへ足を踏み入れようとしたが、そこで聞き慣れぬ言語が耳に入った。中国語だ。 一階の音が耳に入ったようで、待ち伏せをしているかのように感じ取ることができる。隊員は直ぐ様左手を腰に回し、フラッシュ・バン(閃光手榴弾)を取り出すと、ピンを抜いて「フラッシュ!」と発すると同時にフロア内へそれを放り投げた。 投げられたフラッシュ・バンは床に叩きつけられたその瞬間、強烈な閃光を室内に張り巡らせ、それをまともに目に受けた中国軍兵士は思わず手で目を覆って怯んだ。 そのタイミングを逃すまいとレイド・リーコンがフロア内へ飛び込む。視力を一時的に奪われた無防備な中国軍兵士数名に銃弾を叩き込み、彼等は突入後僅か30秒余りで建物を占拠した。
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