Counteroffensive-反撃の鯨波-

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『オールクリア!』 『よし、全員援護位置につけ。』 彼等の目的は建物の制圧ではない。友軍の援護のため、休む間もなく窓際に移動、敵陣側面を射程におさめる。 様子を窺うと、自分達が離脱した際にはいなかった装甲車が味方のミサイル攻撃を受けて大破していた。 『狙え。』 隊長の指示で、隊員達が残っている敵歩兵に照準を合わせる。 『━━撃てっ!』 号令と共に、中国軍陣地に展開する歩兵達の無防備な側面に突如弾幕が襲い掛かった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 敵陣地左側の建物から中国軍兵士に銃弾の雨が降り注いだのは、敵の装甲車が破壊された直後のことだった。 『隊長、レイド・リーコンが左方向に展開したようです。』 インカムから響いたのは、第2分隊を率いる直江春樹二等陸曹の声だ。 「ああ、攻撃の手を緩めるな!」 二方向からの攻撃はかなり有効だった。たちまち敵兵の数は減っていき、数分後には敵陣地は静寂に包まれた。 「レイド・リーコン、そちらから残兵の姿は確認できるか?」 『……いや、クリアだ。制圧したと断定できる。』 「了解、そちらまで前進する。」 敵は全て無力化したことを確認した中崎は、陣地まで部隊を動かし、レイド・リーコンと合流した。
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