Counteroffensive-反撃の鯨波-

33/43
前へ
/90ページ
次へ
その援軍部隊は、ダークブルーを基本とした塗装に統一された戦闘機部隊であった。 尾翼に刻み込まれた赤い星を掲げ、ステルス性を加味されて組み上げられた鉄鋼を基本として、ガナード翼と呼ばれる機体の安定性・運動性が向上する小型の翼が追加された大型の機体が、その巨体に似つかわしくない機動力で味方機を食い破るその姿は、空自のパイロット達に連中はただ者ではないと感じさせる状況へ追い込んでいく。 『司令部!増援はまだか!?』 『現在各作戦区域に展開している航空部隊は全て接敵中だ。既に新田原基地に待機していた部隊が緊急命令を受け、そちらに向かっている。間もなく空域内に入るはずだ。』 間もなく、中国空軍を相手に奮戦するF-15部隊のもとに、その増援が到着した。 日光を反射して煌めく漆黒塗装に、赤く浮かび上がる日の丸が埋め込まれた戦闘機が10機、5機ずつの編隊を組んで空域内に突入。 同時に、F-15部隊にAWACS(早期警戒管制機)から通信が入った。 『━━第1戦闘攻撃飛行隊が空域内に進入、迎撃に加勢する。第302飛行隊は一時後退、敵と距離をとり第1戦闘攻撃飛行隊と合流、隊列を組み直し再度攻撃を仕掛けろ。』
/90ページ

最初のコメントを投稿しよう!

430人が本棚に入れています
本棚に追加