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『━━こちらホールアイ。第1戦闘攻撃飛行隊各機へ、前方から第302飛行隊が後退してくる。誤射に注意せよ。』
『こちらSpear.1、了解した。全機聴こえたな?近付いてくるのは味方だ。』
『了解。』
コールサインSpear.1━━高綱時成三等空佐率いる航空作戦群.第1戦闘攻撃飛行隊.Spear編隊は、例の大型戦闘機から距離をとるF-15達と合流した。
『━━第302飛行隊は敵海軍戦闘機.J-15の撃滅を。第1戦闘攻撃飛行隊は敵増援部隊を迎え撃て。』
『了解。』
沖縄上空へ向かっている途中にF-15が新手に苦戦を強いられていると報告を受けていた高綱は、分の悪さとイーグルトライバーの疲労を察し、自身の隊での新手の相手を承諾した。
『━━隊長、イーグルを墜とした連中、おそらく他の中国軍機とは違います。』
『もしかして……噂のステルス戦闘機じゃ……?』
Spear.2、楠智也一等空尉と、Spear.5、神谷俊三等空尉からの言葉に、高綱も『ああ、その可能性は高い』と頷く。
『全機、決して侮って掛かるな。奴等は俺達と同じ、新鋭機を任せられているパイロット達だ。相当腕か立つに違いない。』
と、ここで新たな人物が介入した。
『目の前の獲物に集中し過ぎてけつを蹴り上げられないように気を付けろ……ってことですね。』
『ちょっと、そんな下品な言葉使わないでくれる?一応女も聴いてるのよこの無線。』
『あ?……女って誰のことだ……?』
『なっ……あんたねぇ……!』
目の前で実力の計り知れない敵機と対峙しながら突然口喧嘩を始める二人の隊員に、高綱は思わず溜め息を吐く。
━━まったくこいつらは……
『おい、これから命の駆け引きやろうって時に限って始まるその夫婦喧嘩、どうにかなら━━』
『夫婦じゃありませんっ!』
━━……やれやれだな……
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