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矛先をJ-20へ突き刺さんと、対空ミサイルが空を切り裂き距離を縮めていく。
しかし、その直後。
敵の機影が巨大な乱層雲の中に消えていった。同じくミサイルもJ-20を追って雲の中に飛び込む。
『待ちなさいっ……!』
目視で敵を追うことが出来なくなったが、レーダーに表示される微弱な反応を頼りに水瀬も機体を乱層雲の中へ突っ込んだ。
……視界が悪過ぎる。しかしレーダーには、今にも消えそうな反応がまだ表示されている。消失しない辺り……おそらくは、ミサイルは外れたか……
━━まあいいわ……まだ弾はある……
直後、視界が白一色から一変。見渡しのいい蒼窮の空へと移り変わった。
真上へ顔を上げると、照り付ける神々しい日光。余りの眩しさに直視できず、目を開けていることもままならない。堪らず視線を真正面に戻し、突貫してきた巨大な乱層雲を眼下に、水瀬は敵影を探した。
レーダーが正しければ、敵は未だ前方に位置しているものの、距離は随分短縮されている。己の視力ならば、しっかりと目視できる距離はず。
……しかし。
『……見当たらない……どうして……!?』
いない。何処にもいないのだ。レーダーに反応はある。しかし、その姿を直接眼で捉えることが出来ない。
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