第3話・レンアイごっこ

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「それはわかります、それからのステップが知りたいんですよ」 「気持ちが添わないのにそんなことして意味あんの?」 「それはーー」 言葉に詰まるあたしはある人の顔が浮かぶ。 あたしは彼に恋してる。 「あります、たぶん」 違う、ないと困るんだ。意味がないとあたしのしてることはムダになる。 「じゃあキスより先に進んでいいんだ?」 冷たい瞳で射抜くように見つめられたら、そりゃ誰でも惚れるよ。 まあ、あたしのタイプじゃないけど。 ところでキスより先、ってなんだろ? ハテナマークが頭を埋め尽くす前に香坂先輩の顔が近づく。 ちょっと待ってて。 「クスッ。ほら、嫌がってる」 あと数センチで唇ってとこに先輩の顔があって、目をぱちくりさせてからからかわれたんだと知った。 もうムカつく、人で遊んで何が楽しいのよ! だいたい最初に会ったときから気に入らなかったのよ、この態度っ。 上から、俺様!ちょっとは敬うとか女の子扱いするとかいてくれてもいいでしょ! 「まあ、無理すんな。知りたいってんなら教えてやるよ、その代わり織依が覚悟したときにな」 「子ども扱いしてません?」 「してる、賢いじゃん」 頭を撫でられてまた先輩は歩き出す、それに慌てて追い付くと脇腹を突っついてやった。 あたしなりの細やかな復讐だ。
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