第3話・レンアイごっこ

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『好きなんだよっ』 『あたしは忍とは友だちでいたいの!第一、彼女s’との関係を切ってから言いなさいよ』 その言葉の持つ意味が変わったのはいつから? 普段から「好き」とか言ってる奴だったから、その時も冗談だと思ってた。 今から半年前の七月の話。 後から気づいたんだけど、たぶん忍の好きはその前から冗談と違う意味合いを持ってたハズ。 それに気付けなかったあたしはかなりのニブチンで。 「ーーさんのハライセで織依は香坂先輩と付き合ってんだろ、なら相手が俺でもイイじゃん」 「……そうよ」 あたしは学習能力のないバカだ。 サボろうと休み時間ギリギリで教室を出たら、またもや忍に屋上に拉致られた。 「それはお互いが恋愛感情を持ってなかった場合でしょ、あたしと忍は違う」 「それでもっ」 「忍のそういうトコ、重いよ」 心の奥の宝箱の中身に気付かれるほど忍とは側にいたんだ。 ウカツだった、絶対誰にも気付かれちゃいけない気持ち。 「もう、放っておいてよ」 あたしは友だちって関係さえも壊してしまった。 それ以上何も言えず教室に戻ることにした。 こんな時に英語ってマジいいタイミングなんだけど。 『ねぇ、私が早瀬に恋愛教えてあげる』 聞いてしまったのは、魔女のササヤキ。 お兄ちゃんは魔女のユウワクに乗った。
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