第3話・レンアイごっこ

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あたしは見てたの。 魔女と二人でいるお兄ちゃんを。 魔女が誰を見ているのかも、お兄ちゃんが誰を見ているのかも知ってた。 そんなこと突き詰められるワケなくて知らないフリして笑ってた 今日もこうして放課後にお兄ちゃんと魔女を廊下から覗いてる。 「なんで家に来てくれないの? 別に責めてるわけじゃないんだ、美久といるのが当たり前になってて寂しい」 てか、お兄ちゃん。 声大きいよ。 お兄ちゃんは平気であたしを傷つける。いや、あたしが勝手に傷ついてるんだ。 ずっとお兄ちゃんの側にいたのはあたしだった。 それなのにお兄ちゃんはいきなり現れた大浜先生に恋をした。 それがきっかけで気付いてしまったの、イケナイ気持ちに。 お兄ちゃんの優しさはあたしだけのものだった、。 それが他人に行くなんてあたしは耐えられない。気持ちに気付いてからは短距離に打ち込んだ。 この気持ちはオカシイってわかってるから。 キンダンのコイだから。 でも怪我で短距離を止めたからはお兄ちゃんしかあたしにはない。 だからお兄ちゃんを魔女に奪われるのは嫌だった。なのに横から出てきた別の魔女は誘惑して無理やりお兄ちゃんの気持ちを自分に向けようとしてる。 最初は偶然、今は故意。
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