第3話・レンアイごっこ

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ダメな行為と知っていながらせずにはいられない。 その上、家にまで魔女は上がり込んでもうサイアク。 魔女があたしの家を侵食して汚していくみたいでイヤだ。 感情が奈落の底を突き進む、このままいっそコワレた方が楽かもしれない。 ギリギリ踏み止まってるあたしは臆病で。 扉の隙間から胸がキューって痛むのを我慢してお兄ちゃんと魔女を見てる。 我ながらバカだよ、見てる分ツラいのに。 「なにしてんだよ、早瀬妹」 「げっ、なっちゃん」 見るのに集中してて、皆川先生が見回りに来てるの気付かなかった。 なっちゃんって言うのは皆川先生のニックネーム、皆川先生ってカッコ良くて性格も面白いから女子に人気なんだよね。 まあ話しやすいってのはわかる、でも邪魔しないでほしいなっ。 「早く帰れよ、校門で彼氏が待ってるぜ」 「それは、ドーモ。自分の彼女の手綱くらい握っててもらえません?」 「なんのことだか……」 「デバガメはお互い様ってことですよ」 (彼氏、香坂先輩か……。なんで知ってんの?あたしだって知ってるんだから) 疑問に気付いた時にはもう遅く階段を降りていた。 「先輩はどうしてあたしが学校帰るの遅いか気になりません?」
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