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「それって聞いて欲しいってこと?」
もう駅に着いてしまう、今日は特別この帰り道が早い。
なんで?離れたくない。先輩が好き?違う、絶対アリエナイ。
今日は魔女がいる気がするから。
「そう、かも。部活とかしてないんですよ、辞めちゃって。見てるんです」
「それって好きな奴を?」
「うん」
「仮にも彼氏にそういう話題する?」
「先輩は彼氏、っていうよりお兄ちゃんみたい。今日は家に帰りたくないです」
冗談みたいに言ったけどかなりマジ、もうゲンカイだから。魔女に土足で踏み込まれるなんて耐え難い。
「あのさ、あんま誘うようなこと言うなよ。無自覚にもほどがある」
「マジです、マジで帰りたくないんです!誘ってるんです」
一歩先輩に近付いてそっとつま先立ちで先輩の唇を塞ぐ。
今のあたしはこれがいっぱいで体とか震えちゃってるけど、伝わるよね。
もう限界、ジョーダンじゃない。
恋愛ってそんなにいいものなの?
肌を合わせて、心を寄せて……。
それで何が生み出されるの?
あたしにこそ恋愛を教えてよ。
オニイチャン。
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