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箱には付箋紙で“戸野塚さんお世話になってます 総務岸田”“お口に合いますように 大竹”と貼られているものあり、ミニレターがリボンに挟まれてるのあり、包装紙にシャチハタ印の押されているものあり、と様々だったが、その女の子の平均年齢は24、5。彼女たちの若さに私は圧倒された。
……いや、ここで萎縮してはいけない。怯んではいけない。その4個の小箱を脇に詰めて隙間を作り、自分のトリュフを押し込んだ。
「……」
引き出しに並ぶのはチョコだが、そこに私の手作りチョコが混じる構図は若い女の子に混じってオバサマがふんぞり返るシーンそのものだった。こんな女の子たちと張り合って勝てる筈もない。張り合うみっともない自分を想像して情けなくなった。もう恋の似合う年齢じゃない。尻込みした私は結局のところ、小箱を自分のポケットに引っ込めた。
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