ソッフィオーネを鳴らす日まで

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「アリョーナ…オレ…グロズヌイに帰ることにしたよ…」 「タメルランも…大学をやめるの?」 「ああ…おふくろが…大病で倒れたのだよ…医者になろうと今日までがんばっていたのだけど…オヤジが大学をあきらめて、家に帰れ…グロズヌイで就職をしろと…うちには…おさないきょうだいがいるのだよ…オヤジが働けないから…オレが働いておカネをかせがなくてはならなくなってしまったのだよ…明日…列車に乗って帰ることにしたから…元気でな…オレのことはもう忘れて…オレよりもいい男と幸せになれよ…」 タメルランは、アタシにこう言うたあと、公園をあとにした…
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