ソッフィオーネを鳴らす日まで

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「ヒメネンコ、お前はいつになったら嫁さんをもらうのだ!?」 「何だよオヤジィ…またその話かよぉ…」 父の言葉に対して、一番上の兄もまた多少あつかましい声で父に言い返した… 一番上の兄に言い返された父は、読みかけのロシア語の新聞をバサッとひざの上にたたきつけながら一番上の兄に言い返した… 「ヒメネンコは『そのうちに…』とばかり言ってるようだけど、もう何年間宙ぶらりんのままでいるつもりなのだ!?どうして、ヒメロフ(アリョーナの2番目の兄)のように自分から積極的に動こうとしないのだ!!」 「無理なことを言うなよ!!ヒメロフが職場恋愛でお嫁さんと知り合って結婚できたからオレも恋愛結婚しろだなんて、そんなこと無理だよ!!」 一番上の兄と父が大ゲンカを起こしていたので、紫色のTシャツにボブソンのジーンズ姿のアタシはのみかけのチャイをゴクゴクとのんだ後『ごちそうさまでした。』と言うたあと、席を立ってカバンを手にした後、大学へ向かいました。 ネイビーの背広姿の2番目の兄も『仕事に行ってくる。』と言うて、席を立ってカバンを手にした後、会社へ出勤しました。 アタシんちは、毎朝のように一番上の兄の結婚問題のことで父と1番上の兄がもめてばかりいるので、食卓の雰囲気がよどんでいました。
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