プロローグは…

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拝啓、天国だか地獄だか、はたまた未だに健在だか分からない我がお母様はいかがお過ごしでしょうか。 私的には可及的速やかに死んで、因果の輪から外れて一生苦しめばいいのにと思う今日この頃。 「なにここ足冷たい。」 私は何処か変なところに落とされました。 下は底が見えない程に深淵で、とても澄んだ水。 そこに足が少し付く感じで浮いているせいで、靴に入り込んできた水が超冷たい。 そしてそれ以外は見渡す限り真っ黒な何かが蠢いている。 多分見る人によっては「真っ黒なG」が蠢いているようにしか見えないだろう。 実際、俺も一瞬だがそう見えてしまった。 そして、その中におそらく月であろう赤く丸い光が一つ輝いている。 「…はぁ…何で俺がこんな所に…まあ、まだ"彼女"が寝ているから煩くはないが…」 もしかしてあれだろうか? 18年間の人生をずっと不幸のどん底で暮らしてきた俺に対する更なる追い打ちだろうか? もう人生のどん底という名の地面をドリルで壊して地下に突入しちゃう勢いなんだろうか? 最終地点はマントルを貫通しちゃって内核行っちゃうんだろうか? 冗談抜きで世界の中心で「I love me」とか叫ぶことになるんだろうか? 「…今までずっと一生懸命働いて(真面目にとは言っていない)、一お金を稼いで生きてきたと言うのに…」 まさかあれかっ これから一気に上に上がるはずの運気を日頃の行いでダメにしたとでもいうのかっ!? 「…って、あの人生で運気が上がるわけないから違うか。」 んー…、とにかく何故俺がここに来たのかがまったく分からん… 「よしっ、とりあえず何か思いつくまで月見でもするか…」 座り込んで自分の後ろに手をついて空?に浮かぶ赤い月?を見上げる。 幸いここには水があるしなんとかなるだろう…ま、飲めればの話だけど。 「…ということで実際確かめるか。」 両手で水を掬ってみると予想以上に透明度が高かった。 それを口に近づけ飲んでみる。 ゴクッ… 「…ちょっと鉄くさい。」 だが飲めないことも無い。 これなら水には困らずに済むな。 とりあえず何か思いつくまでここで月見でもしてゆっくりしているか。 (・ω・o[色々あって数時間後…]o
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