プロローグは…

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月?を眺めること数時間、 「「流石に飽きた(ました)。」」 "彼女"も目を覚ましたため暇ではなくなったが、それでも長時間水を飲んで月?を見上げるのには飽きてくる。 「…この水の揺らめきを見る限り、私達以外に人はいなさそうですね。」 少しでも水に浸かっている状態で生物が移動すると、どうしても波が生まれてしまうのは当たり前のこと。 しかし、ここには俺が動いたことで生じた波しか見えない。 つまり、ここには俺達しか存在しないということ。 「ふぁーあ…まあいいか、とりあえず寝る。」 体の半分が水に浸る。 寝返りでも打ってしまえば最悪、顔が水に浸かり死ぬかも知れないが…まあ、何とかしてくれるだろう。 「なんですか人だよりですか」 「はぁ…水が冷たい…。」 空に浮かんでいる月と思われる赤い月をぼんやりと眺める。 んー…、なんかあれって金平糖みたいで食えそうじゃね? もしかして届くかも?と、そんなノリで手を上に伸ばす。 ま、どうせ無駄だと思… 「あ、とれた」 以外と呆気なくとれたな。 この小粒サイズの少し赤色の混ざったギザギザとした丸い形のフォルム… どこからどう見ても普通の赤い金平糖にしか見えない。 睡蓮「ま、この水と同じで普通に食べれるだろ…」 金平糖を口の中に入れる。 睡蓮「…ん?溶けた…?…っ!?」 そう感じた瞬間、この空間を支配していた黒全てが口の中に入り込んでくる。 「「────────────!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」」 声にならない二つの悲鳴が一人の口から響かれた。 まるで内側から自分の全てをボロボロに破壊され、何か得体のしれない黒を加えられぐちゃぐちゃに掻き回され、無理やり元に戻され続けるような感覚。 それに抗おうとしても、手足は押さえ付けられているように全く動かせず、体は麻痺して痛みを感じなくなることも無く、気を失おうとしても痛みで強制的に戻される。 そしてそれはありとあらゆる全ての拷問を同時に受け続けるなど生温く感じるほど、何にも例えられない程の痛みと、今まで経験したことのない経験を埋め込まれているとてつもない苦痛。 それがいったいどれほど経ったのか分らなくなるほど長く無限に続く。 しかしそれもしばらく経って聞こえなくなり、"彼らの一つの体"は水の中に沈んでいった。
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