第1章

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ひろ子は金に困っていた。 子どもからお金をせびるのも疲れ果て、もう死んだほうが楽だと考えていた。 そこにその若い男は現れた。 「どちら様?どこかでお会いしましたっけ?」 若い男は、 「俺の名は、鈴木弘だ。久しぶりだな、ひろ子。」 「!!嘘!?ヒロちゃん!?どうして?何で?」 「田中は死んだよ。借金苦で自殺した。お前に会いにきた。」 ひろ子の顔が歪んだ。 「復讐!?今度は私の番?許して!私が馬鹿だったの!今の私を見てよ。子どもにも見放されて、生活していく力もない。殺すなら、殺して!」 「何故だ?ひろ子?」 ひろ子は泣き出した。 「私が馬鹿だったの!田中の甘い言葉に騙されて!田中は金を手にしたら、ギャンブルに酒に暴力!毎日が地獄だった・・・」 ヒロシはじっとひろ子を見つめると、振り向いて、そのまま立ち去ろうとした。 「待って!ヒロちゃん!私も連れてって!」 ヒロシは振り返った。 「連れて行かない。君が罰を受けているならいい。そろそろ行くよ。」 ヒロシはそのまま立ち去って、消えた。 ひろ子は泣き崩れた。
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