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ひろ子は金に困っていた。
子どもからお金をせびるのも疲れ果て、もう死んだほうが楽だと考えていた。
そこにその若い男は現れた。
「どちら様?どこかでお会いしましたっけ?」
若い男は、
「俺の名は、鈴木弘だ。久しぶりだな、ひろ子。」
「!!嘘!?ヒロちゃん!?どうして?何で?」
「田中は死んだよ。借金苦で自殺した。お前に会いにきた。」
ひろ子の顔が歪んだ。
「復讐!?今度は私の番?許して!私が馬鹿だったの!今の私を見てよ。子どもにも見放されて、生活していく力もない。殺すなら、殺して!」
「何故だ?ひろ子?」
ひろ子は泣き出した。
「私が馬鹿だったの!田中の甘い言葉に騙されて!田中は金を手にしたら、ギャンブルに酒に暴力!毎日が地獄だった・・・」
ヒロシはじっとひろ子を見つめると、振り向いて、そのまま立ち去ろうとした。
「待って!ヒロちゃん!私も連れてって!」
ヒロシは振り返った。
「連れて行かない。君が罰を受けているならいい。そろそろ行くよ。」
ヒロシはそのまま立ち去って、消えた。
ひろ子は泣き崩れた。
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