君に捧ぐStory

表と裏の君

─…それから俺達はサイト内ですぐに打ち解け仲良くなっていった。

相変わらず育久ちゃんは対象的な日記と写真をアップしていたけれど、それが彼女の楽しみ方なのだと思い、俺も目の保養にさせてもらっていた。

育久ちゃんのサイト友達には、やはり下心ありありの男性会員も沢山いて、群がる卑猥なコメントの数々に苦笑したりもしたが、育久ちゃんは毎回上手く交わしていてそれがまた面白かった。

育久ちゃんも必ず毎日俺の日記を読みに来てくれてはコメントを残してくれる。

俺も男だから中にはコメントに困るほど卑猥な日記もアップしたが、育久ちゃんは笑えるような和むようなコメントを毎回返してくれた。

いつしか俺は、他のどのサイト友達よりも、育久ちゃんのコメントが待ち遠しくて仕方なくなっていたんだ。

育久ちゃんのアップする日記を読むのが楽しみで、仕事が終わったら千穂ちゃんに捕まらないように一目散で帰った。

そうやって俺達はネット上での信頼関係を育ませていったのだ…。