十四夜

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「怒らせたまま別れるってのもどうかと思って、早めに飲みに誘ったんだが、そしたら「ストーップ!それ以上はやめてぇぇぇぇ!!」」 珠美さんが、相原さんの口を塞いだ。 い、いったい今度は何をやらかしたんだ、珠美さん! 「いいじゃないの、珠ちゃん。居酒屋の兄さんは、いわば珠ちゃんと社長さんのキューピッド役みたいなもんなんだから、ちゃんとお話しよ。」 どうやら琴子さんは、全部知っている様子。 珠美さんの親友で、よき相談相手だからなあ。 「う・・・でも・・・」 琴子さんに促されて、それでも迷っている珠美さんの手を、相原さんが自分の口から外した。 「そこの姐さんの言うとおりだ。これまで烏丸さんに内緒にしてたんだから、さすがに言わないわけにはいかねえだろう?」 いや、そんなに言いたくないことなら、無理強いはしないが。
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